ヒザイミズキの、日々の旅 ブログ編

(元)俳優、ヒザイミズキの日々は旅のように。

「そんなに強く演劇を握りしめなくていい」 三度目の月潟で考えたこと

新潟は燕三条、月潟稽古場にて ハンニャーズプロデュース『子供の時間』を観劇してきました。
過去二回、東京からワークショップに参加して一緒に取り組んできた作品。自分も含めて今回出ていない他の参加者も、作品という糠床の一部だなぁとしみじみ思います。
感想はTwitterにつぶやいたり直接伝えたりしたのでここではかきませんが、こんなことがありました。

で、これ最初は「演劇をやってるってだけで」って書こうとしたんだけど、あれ?自分演劇やめたじゃん、四年前に、って気づいて「近くにいる」に書き替えた。

昨日の帰り送ってくれた出演者のげんぱさんにも言ったんだけど、やめてもいいんだよね。実際は。
「続けてないと、やめてしまったら二度と戻って来れない」って私は思ってた。かつて。かなり状況が悪いときにも無理して続けていた。その時の経験も全て大事だけど、失ったものや傷つけたものも多かった。
今なら言える。やめても大丈夫。たぶん、またやりたいなぁと思ったら、もしくは状況が変われば、また始めれば良い。きっとまた会える。一生のお付き合いだと思えば、そんなにしがみつかなくてもいい。

「そんなに強く演劇を握りしめなくていい」って言ったのはせりさんだったかな。「演劇の神様は見放さない」みたいなことも誰かに言われたかもしれない。

私と演劇の関係も、大切な古い友人のように、着いたり離れたりしながら。
越後平野の広い広い空と、雨のように降る落ち葉の中を歩いてそんなことを考えていた。
旅先では、いろんなことを思い出したり思い至ったりする。
f:id:zaikichi:20211107120947j:plain