6月28日(日)
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梅雨らしい雨の日 夕方あがる
棺に大量の花をこれでもかと入れる
父がめんどくさそうに「もういいよ」とか言い出しそう
息子は 棺の中を見て 「じーじ、ほんもの?」 と聞く
確かに作り物みたいだね
母の喪主あいさつ
どこの女優さんにも負けない、
「人は悲しいときに悲しそうにはしない。つとめて明るく、平気そうにする。」
芝居をしていた時の自分に(何度も言われたことはあるけど)それは本当なんだと教えてやりたいよ。
火葬場は情緒もへったくれもない
バスが着いたらすぐにズラリと並んで衝立もない炉にガラガラ直行、
どうやら父は骨がしっかりしていて量も多いらしく、
息子は焼き場が怖くて抱っこ抱っこ、窓の外を見て我慢していた(
帰り道で遠回りするバスに(運転手のすぐ後ろの席で)
「なんでまっすぐ行かないのよ」「遠回りじゃん」「あたしちょっと酔っちゃったよ」
などと文句を言う遺族3人(母・姉・私)
(葬儀場に戻って叔父が教えてくれました。同じ道で帰っちゃいけないんだってね。テヘ)
実家の和室には段ボールでできた簡易の祭壇 差し入れられた山のような線香 供花のアレンジメント
父の真似をして
「たっだいま~」
と言ってみる
人は死ぬと身体はモノになる
そして焼かれてカラカラの骨になる
お坊さんの言うように、魂が旅に出たりするんだろうか。
三途の川を渡るのに六文銭を払ったり、
甘いタレのついたお団子がいいのにな。
そこにあるのは骨であって もう父ではなくなっていた
身体があったときは 死んでいても「そこにいる感」があったのにな
魂とは何だろうな
今日は今日とて下痢がひどい
私のお腹に平穏な日は訪れるのだろうか
受付の場所にはメモリアルボードと、倒れた当日にも行っていた源氏物語を読む講座のテキスト、感想メモなど。