ヒザイミズキの、日々の旅 ブログ編

(元)俳優、ヒザイミズキの日々は旅のように。

役者に一番必要な力

「頭ではわかります」
難しいダメ出しをされた役者が、決まってこういう。
あたしも言う。
「頭ではわかる」と「できる」の間には、なんだかモヤモヤっとした壁がある、ように思える。

その壁が何なのか、今まであんまりちゃんと考えてなかったけど、
「(頭にあるものを実現するための)技術」
とか
「経験」
とか、
そんなようなものだと思っていた気がする。

でも、
「頭ではわかります」→「技術/経験を積む」→「できる」
という図式は、必ずしも合ってないように思う。
演劇は続ければ続けるほど技術と経験は得られるが、
そのぶん良い役者になるかというと全然違うからだ。


今では、こう考えている。
「頭ではわかる」→「体でわかる=心でわかる」→「できる」
言い換えれば、「実感できる」とか。

でも、普通は自分自身が経験したことしか実感できない。
自分でやったことも無いことを舞台でやらなきゃいけない場合、
(俳優というのはそういう仕事なんだけど、)
「体でわかる」「心でわかる」というためには、何が必要なんだろう。

この「頭でわかる」と「心でわかる」の間にある壁を飛び越えるのは、
「想像力」
に他ならないのではないか。

「頭でわかる(理解する)」→<想像力>→「心でわかる(擬似的に実感する)」→「できる」
役者に一番必要な力、それは「想像力」ではないか。

と、思う今日このごろ。