ヒザイミズキの、日々の旅 ブログ編

(元)俳優、ヒザイミズキの日々は旅のように。

脱腸日記その2 手術編

前編はこちら。↓ 

zaikichi.hatenablog.com

 

 11/2

救急から病棟に移ったのが2時ごろ?で、ほとんど寝られなかったが6時には起こされる病院の非情。前日からあまり寝てなかった母は明け方帰宅。ケンカしちゃうことも多いけど、こういう時頼れるのは母。恩をどう返していいのやら。

夜中のうちに、夫(朝起きるまでは決して電話に気づかない人種)が起きたら見るようにLINEで報告。心配しているだろう座組の方々にも現状をメールで報告。8時過ぎたら家と会社(上司と総務)に電話。それができるくらい余裕があった。このときは、まだ

その後「3日は祝日だから4日だろう」と聞いていたのが急に「4日がいっぱいで、今日ならできるかも!」と言われて当日手術することに。早く帰宅したいから嬉しい反面、急に焦ってしまう。ヘルニアは戻ったが、穴が空いたままではまたちょっとしたはずみに腸が出ちゃうので、メッシュ素材でふさぐとのこと。全身麻酔での腹腔鏡手術。外科医(イケメン)はイケメンだけど説明がほとんどなく「これ読んでサインしといてねー」で終わり。私にとっては初めての手術でも、医者にとってありふれた手術なんてそんなものなんだろう。手術と麻酔と輸血とその他諸々の確認書にサイン。
午前中、夫が必要なものを用意してきてくれる。

昼頃、すかすかの手術着(すぐはだけてオッパイ見える)と大人用紙オムツ、膝下の白いストッキングに着替えて指輪やコンタクトを外す。植本一子さんが撮影した手術前のECDさんの写真と同じカッコだなーと思いながら、歩いて手術室へ。思ったよりもごちゃごちゃした部屋。手術が終わった直後の人が、切り取られた内臓と一緒に運ばれてくる様に私がびびっていると、看護師が慌ててカーテンで仕切った。アレの次は私の番か。

温風で妙に温かい手術台に乗せられる。ゼリーみたいな枕に脚のマッサージ(血が流れるように圧迫するやつ)。ものすごい安心感を与える麻酔医の笑顔。

自分が人間じゃなくて実験動物になったような心地悪さと、逆に至れり尽くせりのVIPになったような気持ちよさ。そして全身麻酔のビリビリした刺激と、一瞬のもしこのまま帰って来れなかったら」感。すぐに意識はなくなった。
手術後は、とにかく痛い。痛み止をもらえたりもらえなかったり(看護師さんによって違う)。痛いのに、三時間経ったら歩けと言われる(このあたりも出産みたいだ)。結果の説明がなくてまた不安になる。そう伝えたら、忙しそうに写真を見せてくれた。ピンク色の腸に、排水溝ネットみたいなのがついていた。すごい違和感だけど、私はこれからの人生、この排水溝ネットをお腹の中に入れたまま生きていくのだ。
夜、少しだけ息子とLINEでテレビ電話。嗚呼、君の声を聞くときが一番幸せ。
傷口のほかに、姿勢による腰痛や頭痛がひどくて夜通しつらくて寝られない。今朝の余裕はみじんもなくなってしまった。

 

また続く。か。

 


写真は、これから手術、という時の景気の悪いツラ。訳あって、少し泣いたあと。

 

 

否が応でも、自分と家族の、今とこれからの人生を考えてしまう。

ナーバスな時に考えない方がいいのに。