ヒザイミズキの、日々の旅 ブログ編

(元)俳優、ヒザイミズキの日々は旅のように。

子連れ観劇をめぐる哲学の話。

今日、劇団内で議論したこと。
来年始動する「時間堂レパートリーシアター」で、子連れOKの回をどれくらい設定するか。
例えば…

・どの回も小学生以下不可
・3ヶ月に一回くらい、子連れOKの回あり
・毎月1回、子連れOKの回あり
・土日の昼は毎回、子連れOK
・どの回も子連れOK

…とまあ、段階を追って様々な選択肢があるわけです。
ちなみに今までの時間堂の本公演では、基本的に未就学児不可、託児を1回くらい設定。
十色庵でのイベントや、ワークインプログレス、プレビュー公演は、すべて子連れOK。実際何名ものお子様にご来場いただきました。

ここで問題になるのは、
「お金を払って演劇を観る環境としては、静かに見られる方がいい。子供向けの演目でもないし。子連れ回はうるさくなる可能性が高いから、静かな環境を好むお客様は敬遠するかもしれない」ということと、
「十色庵のコンセプトは、『演劇を観る・つくる・体験する面白さをすべての人に』。観劇機会が非常に限られたパパママが、毎月、各演目を子連れで観られるチャンスがある、というのはとても大切なんじゃないか」ということ。

私自身は、ご存知のように、1歳児の子育てなう、です。なかなか思うように観劇できず、「赤ちゃんOK」のミュージカルやら人形劇やらに手を出しているが、子連れで観られる演目の選択肢がもっともっとたくさんあったらいいのに、と日々思っています。
しかし一方で、以前に子供が来場した回で騒がしくなり、一般のお客様が集中して楽しめなかった、ということがあり、それはそのお客様、騒がしくなってしまった子連れの方、双方にとって幸せじゃないなとも思うのです。
また、「子連れOK」と言ってるイベントで、オムツ替えや授乳スペースもなく、段差もあって途中退場も難しい、とかいう場合、「なんやねん」と怒りが込み上げることもあり、単に「OKだよ」と言うだけでは足りないのも事実。
かく言う私も、自分に子供が生まれるまでは、まったく無関心というわけでは無いにしろ、ホンワカ他人事にしか考えられなかった。こんなにも観劇することが大変であり、こんなにも観劇できないことが辛く疎外感を感じることだとは、想像もつかなかった。

もちろん、他のお客様に迷惑かけるようだったら、客席から出て行けばいい。その方が親としても気が楽だし。てか、それは子供に限らないけど。
そういうお約束で、みんな共存できないだろうか。そんなことは、理想だけの夢物語だろうか。

まだ、議論は途中です。
「どういう観劇環境を用意するかは、その劇団の哲学」とは、堂主の言葉。

最後に、ごはん部公演@十色庵、に子連れでお邪魔したときの写真。

箱馬を運ぶの、大好き!