ヒザイミズキの、日々の旅 ブログ編

(元)俳優、ヒザイミズキの日々は旅のように。

あなたに演劇はできない、と、言われた話。

高校生の頃。私は演劇部だった。
学年につき1〜3人しかいない、弱小演劇部だけど、演目とか、なかなかユニークだったし、もちろん私は真剣だった。
部活以外の時間、私は目立たない生徒だった。勉強は大概まあまあできたけど、好きじゃない授業では居眠りするかパラパラマンガや4コママンガを描きまくって、いかにして教科書を落書きで埋めるか競っていたり、提出物を一向に出さずに呼び出されたりした。そうやって、ささやかに反抗していたんだと思う。
私が「好きじゃない」英語の先生(おばさん)がいて、私の態度は悪かった。わざと良くない点を取ったりもした。

そのおばさん先生に、授業以外の時間(たぶん職員室前の廊下)で捕まった時の話。
おばさんは、私が演劇部だということを知っているので、なんか、演劇の話をしてきた。おばさんの息子が北海道に単身渡って富良野塾に入ってて、その芝居を観て感動したわ、とか、そう言う話。
私は富良野塾をたいして知らないので、「はあ」「そーすか」とか言っていた。
おばさんは、
「アナタみたいな冷たい(冷静、とかクール、みたいなニュアンスだったと思う)子が、演劇やってるなんて、アタシ正直信じられない。演劇って、心があったかく(熱く?)無いと駄目なんじゃないかしら。」
的なことを言った。情熱的に。


私の芝居、見てから言えよ。


と、
私は(おそらくクールに)拒絶して、それ以降演劇の話はされなかった。

いま思い出しても腹が立つ。
けど、たぶん今も私はほとんど変わらなくて、愛想のない、声が小さい、冷静、引いてる、そう言う姿しか知らない人にとっては、「あんなひとが人前で泣いたり笑ったり踊ったり、できるとは思えない」んだろうな。

ま、踊ったりは、できないけど…(´Д` )。

人の心の熱さとか、情熱とか、生命力とかエネルギーみたいなものを、ほんとに表面的に断じるひと、たくさんいるんだよ。

人間はそんなに単純でわかりやすくはないよ、先生。

いまでも、腹が立っている。