ヒザイミズキの、日々の旅 ブログ編

(元)俳優、ヒザイミズキの日々は旅のように。

ヒエラルキー

今参加している芝居、終戦直後の闇市を舞台にしていて、とにかく人は多いしスケールが壮大だ
劇中、一番上の占領軍から一番下の乞食まで、または身分と関係なくお金持ちから一文無しまで、とにかく何層ものヒエラルキーが存在する
と同時に、稽古場にも何層ものヒエラルキーが存在している
俳優としても名前があるメインキャスト、役つきの人、あと大勢いるアンサンブルキャストの中にも、はっきりと1軍と2軍(あとその間にちょこっと)がある
劇中でも稽古場でも最下層に位置する自分は、べつに上の人に媚びへつらうつもりは無いんだけど、いちおう身の程をわきまえるっていうか、ようするに居場所が無い
それが一番疲れる

でも若いのにヒエラルキーの一番上のほうにいるひとも、それはそれで疲れると思う 自分の立場がわかっている場合 自分より歳もキャリアも上のひとたちが、自分の10分の1もない出番のために一日中スタンバイしていたりする
そういうひとは気を遣ってか、気さくな人も多いけど、あたりまえだけど、平等なんてありえない


最下層は最下層らしくしているのが、いちばん楽なんだけど、そうして歳をとっていくにつれてどんどん卑屈になっていく、そういう成れの果てみたいなひとを見ると、ほんとうに心がぎゅーっとなる 現実にそうなっていっている自分を見ているようで
世の中の人はこういうのを「下積み」っていうんだろうけど、それはつみあがって上に行く場合であって、ずーっと下にいたら下積みって言わないよね