昨日の雪ですっかりチリが洗い流されたようで、今日の東京は何もかもがくっきりと美しい。
17階のオフィスは全面ガラス張りで、
いつも東京タワーとレインボーブリッジが見える絶景ビューなのだが、
今日は他の無数のビルヂングが、
まるで精巧なおもちゃのブロックみたいに四角くてかわいらしい。
休憩時間、コーヒーを飲もうと通りがかり、思わず見とれる。
都会は好きじゃないけど、
この青空の下のポコポコとニョキニョキと生えてる町並みは、
なんだか愛せる気が・・・・
ぐぁ〜〜〜ん
・・・。
激痛。
右側の窓に見とれているうちに、
金属でできた柱に激突する俺。
しかも接地面は左頬骨と左膝の2箇所のみ。
半身でぶつかるよりも、逆にダメージ大。
すぐ近くには誰もいなかったが、
背後のラウンジ的スペースにいる人々が、
あの金属衝突音に気づかないはずがない。
振り返らず何食わぬ様子で給湯室に入り、
コーヒーを片手に別の階に逃げる俺。
痛い。
膝はまだしも、
頬骨は、青アザにでもなったら
DV受けてる人だと思われてしまう。
「たいしたことじゃないんです」とごまかそうものなら、
懐かしいあのガーゼ貼ってた大臣みたいに
余計に勘ぐられてしまう。
ああ、普段から道で通行人や看板や電柱にぶつかる俺。
どうしたいいのでしょうか。
あ、前見て歩けばいいのか。