ヒザイミズキの、日々の旅 ブログ編

(元)俳優、ヒザイミズキの日々は旅のように。

「昭和歌謡大全集」(村上龍)

読了
面白かったです 読んでる間、現実感と非現実感の間を彷徨い揺さぶられ、しだいにその振れ幅が増して行き「ありえる!」「ありえねえ!」の応酬のうちに一体ぜんたい何が現実のぼくらに起こりえることなんだろうか、ぼんやりと何かが物足りない僕らはあるきっかけで殺し合いを始めてしまうんだろうか、現実にこの世界で起きている無数の馬鹿げた、かつ残酷な殺し合いはこうして報復に次ぐ報復でなりたっていて、だからこの小説の中の話はとてもリアルだと言えるんだろうか、「ありえねえ!」と笑っていられない、そこには善も悪もない、だとしたら「平和」ってのはある特定の人々にとっての平和であってもう一方では不幸を作り出しているのではないか?

村上龍の小説は(物にもよると思うけど)すごい勢いで「えいや!」と書かれている気がして、読むほうも一息に「えいや!」と読みきってしまいたい
そういう意味で、移動・休憩中に読む本としてはやや不適